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コラム『家族だって他人』第36回「頑張りすぎない」ように頑張る 


 自分の中での金科玉条というほどでもないが、なるべく心に留めていることがある。それは、

「楽をするための手は惜しまない」

ということである。

 どうしても、忙しい日々を過ごしていると色々なことが適当になってしまう。しかし、適当にしてしまうとその後にものすごく手間も暇もかかるうえに、あまり良い結果にならないということが世の中には多すぎるのだ。

 例えば、白いシャツの上にこぼしてしまったケチャップ。後で洗えば良いかと洗濯籠に入れて放って置くと容易にその染みは落ちなくなる。すぐに洗えば手洗いで済んだものが、時間が経ってしまうと漂白剤を使ってもなんだか完全に落ちてない…ということが起こりえる。

 こういうことは、子育てにも言える。教えるのが手間だからと、子どもにご飯の炊き方も洗濯機の使い方も、お風呂の炊き方も教えないで親が自分でやっていると、気づいた頃には親がやるのが当たり前で、子どもにやってと言っても全然やってくれなくなってしまっていたり…。
 
 どんなことでも少しだけ、

自分が楽にできるようになるにはどうしたらいいか? 

と考えたり、少し先の自分が楽になるために、今しておくべきことをしたりする。この発想は、結構、未来の自分を救う。さらに、あの時やっておいた自分は偉いなぁと思ったりもして自己肯定感も爆上がりである。

 一方で、誰かのために頑張って何かをしてあげるということは、相手が喜んでくれると非常に嬉しいことではある。しかし、それが報われなかったり、感謝されなかったりすると、容易に恨みや愚痴に変わる。自分の行動だというのに、どうしてもその結果が他人の言動に左右されてしまう。なので、自分の多くの行動を人のためだけにするのは、少々危険だ。

 自分が楽をするために手を惜しまないようにするという視点で行う物事は、最終的には自分のためのことなので、相手に多くのものを期待しないで済む。もちろん、全部が自分のためだけというのだと、少々味気ない部分もあるとは思う。何事も、バランスが大事なのだ。

 とは言うものの、家の中で、職場で、家族や同僚や色々な関係の人と過ごしていると、どうしても相手を優先せざるを得ないことも多い。同時に、自分のことが後回しになりやすい。

 だから、そんなときには

「頑張りすぎない」

ということを頑張らないといけない時がある。何かをすることにはエネルギーがいるが、何かをしなければエネルギーは掛からないと思っている人は多いと思う。

 意外とそれは違う。~しない、もしくは~しすぎないために、エネルギーは、結構使われるのである。

「頑張りすぎないように頑張る」
 
 という表現がきっと、ぴったりくるぐらいのエネルギーを使う。意外と、頑張りすぎないように頑張ることは難しい。だから、もう少しだけ使いやすい言葉に変えてみよう。そう、「頑張りすぎないように頑張る」というのを、積極的な言い方に変えれば、

「楽をするために手を掛ける」

ということになるだろう。
 
 ちょっとだけ種明かし。この連載コラムも、連載に困らないように開始する数か月前から、ちょっとだけ書き溜めて始めていたりする。

 未来の楽のために、出来ること。その視点が、少しだけ未来の自分を救う。きっと。
                         (文責:K.N)



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