リレー書簡コラム『拝啓、みこと心理臨床処 様』第42回「雨に歌えば」
たまに、思うことはありませんか？
なんで、この人は良いのに、自分は駄目なんだろうって。
同じことをしているはずなのに。同じぐらいの努力だったり、同じぐらいのミスだったり、同じぐらいのずるだったり、同じぐらいのわがままだったり。
そんなに違いはないはずなのに。
自分はなぜか、うまくいかなくて、許されなくて、損ばかりしてるような気持ちになることが。
人はうまくやってるのに、自分はそれが出来ていないような…。
でも、それってきっと方向性の違いなのではないかと思うのです。
自分とその人。わたしとあなた。
元々違う人間だものというより、キャラがそもそも違うのかもしれません。
だから、他人を見て真似してみたいとか、同じようになりたいとか、そういうのはひとつ目標として目指してみたり参考にしてみたりするのは、悪くないのかもしれませんが、同じではないと不公平さを嘆いてみるのは、きっと少し違うのです。
少し、頑張ってみることは必要で、少し、休んでみることも必要で。
ただ、その先には、少しだけ自分に出来ることを、黙々と積み重ねる。そんな時間が必要なのかもしれません。
そうしていくうちに、誰かが自分の良さに気づいてくれることもあるでしょう。たとえ、気づかれなくとも、自分はそんな自分のことを知っていて、少しずつ認められるようになるのではないかと思います。
ただ、自分に出来ることって何？ 自分らしさってどこにあるのか？
以外と容易く、私たちは見失います。分かっていたはずなのに気づけば信じられなくなっていることもあるでしょう。
そもそも、それが分からずに困惑することもあると思います。
そんなときに、見失った自分を探す旅に出る人もいれば、立ち止まって動けなくなる人もいる。
探す意味さえ見いださない人もいるでしょう。
それはそれで、各々のやり方で各々の考え方で良いのです。
でも、一人だと何が良くて何が悪いのか、分からなくて途方にくれることもあります。そんなときは、誰かに話してみるのも良いかもしれません。
そんな誰かの一人になれるよう、私たちは、みこと心理臨床処を開き、訪れるあなたを、お待ちしています。
(K.N)
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