head_img_slim
HOME > コラム(note)のページ  >連載コラム『月曜日の処方箋』第31回

この夏の旅


お盆休みが終わって、朝の通勤電車がいつも通りの混雑を取り戻した月曜日、みなさまいかがお過ごしですか?

休み疲れなのか、お盆に休めなかった人達なのか、私の周囲には席に座って船を漕ぐ人たちが多数でした。

そんな中、今日も予報は酷暑。倒れず乗り切れるかしら、と心配になる週明けです。

みこと心理臨床所は、三軒茶屋に居を構えて今月で丸3年が経ちました。最近はインターネット検索でみこと心理臨床所を見つけて来てくださる近隣の方が増えて来て、少しずつ三軒茶屋という地に根付いて来たのかもしれないなあと感じています。

私たちのカウンセリングルームは雑居ビルの小さな小さな一室だけれど、そこで垣間見るクライアントさんの人生は、世界とも歴史とも接続した、広くて深いものです。

私はトラウマ治療を専門に勉強してきていますが、私たちの身体は本当に色々なことを記録しています。例えば、幼い頃家族の喧嘩を見ていたときの恐怖や無力感、昔の事故の衝撃、表現できなかった怒り…などなど。それらの身体的な記憶が、現在の自分の対人関係や行動に影響しています。
ですから、今の対人関係の困りごとや、仕事の悩みについての相談から始まっても、必然的にクライアントさんの深くて広い世界に入りこみ、旅することになるのです。

決して,無理強いして古傷を暴露したり、話したくないことを無理やり聞いたりはしませんが、今ある痛みや、今ある緊張、についていくと、身体が教えてくれるのです。

そして見つけた、傷や悲しみを処理してあげると、まずは身体的な反応が返って来ます。「3日ぶりくらいにお腹が空きました」「視界がはっきりくっきりしました」「呼吸がとても楽になりました」これらはクライアントさん達の言葉です。

そして、日常生活も不思議と以前より楽に回り始めます。最初の困り事が解消しても、自分の成長やメンテナンスのために長く通って来てくださっている方もいらっしゃいますが、トラウマを癒す旅は数回でも大きな効果を感じます。

私はこの夏も、三軒茶屋の一室に居ながら、クライアントさんの心の世界を一緒に旅しています。さて、次はどんな旅のおともをさせていただけるのか、期待と緊張の両方を抱えてお待ちしています。
(M.C)

コラム(テキスト版)倉庫


 

お問い合わせはコチラまで

icon ご不明な点がございましたら、まずはお気軽にご相談下さい。
→お問合せフォームへ

→ご予約のお申込はこちらへ


 

ページトップに戻る