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さよなら三角


 一月往ぬる二月逃げる三月去る

 というが、この3ヶ月は本当にあっという間に過ぎてしまった。3月は別れの月でもあり、卒業や職場での異動などで友人や同僚との別れを経験する人も多いだろう。

 そして3月31日から4月1日に日付を跨いだだけで、新年度が始まる。新しい人がやって来たり、新しい職場に行ったりして、新しい生活が始まる。もしも自分の気持ちに素直になったら、4月1日からいきなり変えるのではなくて、新しいところと、慣れ親しんだところを、行ったり来たりしながら、徐々に新しい環境に慣れていきたいところだが、3月に小学校を卒業したら、4月からはもう中学生で、小学校に行っても自分の教室も席もないように、行ったり来たりは許されない。人間の決めた制度だけど、なんだか厳しいなあと思う。

 その切替を助けてくれるのが「春休み」なのかもしれない。大人になると「春休み」などというものは存在しなくなるが、子供の頃は、学年が変わる際に、毎年2週間程度の休みがあった。前の年度が終わって、次の年度が始まる前の、所属が定まっていない期間のお休みのため、宿題がない。だから春休みが一番好きだった、という人もいるのではないだろうか。

 特に高校受験や大学受験を終えたばかりの子どもたちにとって、春休みは待ちに待った「自由な時間」であり、一気に弾けて遊べるときである。そうして後悔ないように遊んで、心のエネルギーを蓄えて、新しい冒険に出るのかもしれない。

 そんなエネルギッシュな若者を横目に、春休みも挟まずに、環境の変化に一生懸命適応している大人のみなさま

「本当にお疲れさま。環境が変わると、気づかないうちに疲れていますよね。緊張しているのも、疲れているのも、あなただけじゃないから大丈夫。少しずつ慣れていきましょう。」

 我々みこと心理臨床処も、思いがけずお引越しをすることになり、年度替わりの忙しい時期にバタバタと引越し作業を済ませたところ。引っ越しと言っても、徒歩数分の距離だし、インテリアはほぼ変わらずだし、メンバーももちろん変わらずなので、特に大きな変化ではない。それでも引っ越しって大変、と思い知った3人である。

 去ってしまった3月に「さよなら」をして、新しい年度である4月を気持ちよく始めよう。それでも疲れてしまったときは、空を見上げて深呼吸。見上げたのが青空でも、曇り空でも、同じ空の下で、昔の仲間も、未来の仲間も、みんな頑張っているから。
                 (M.C)


              

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